2009年9月11日金曜日

~時代を颯爽と駆け抜けた「ミゼット」~

「バタコ」や「バタバタ」という言葉を覚えておられるでしょうか。
大阪ではかつて自動三輪車を「バタバタ」と爆音を立てて走るところから、そう呼んでいました。
昭和30年代の大阪の街には「バタコ」が勢いよく走っていたのですが、この時代に、それよりもかっこいいと爆発的な人気を得た自動三輪車がありました。
昭和32年発売の「ミゼット」がそれです。
全長2.54m、幅1.2mで積載量300kg。
バイクに幌を取り付けた一人乗りのミニトラックで排気量249cc、キック式点火で、最高時速は60kmを誇りました。
大卒の初任給が1万円少々であった時代に19万8,000円のミゼットは高価ではありましたが売れに売れたのですから、人気の高さがうかがえます。
この時代は物流が革新された時代で、輸送力アップの目的からトラックは大型化が求められ、これが時代の方向だったのですが、その「逆路線」で成功を収めた自動車メーカーがあったのです。
昭和30年代はインフラがまだ整わず、ミニゆえに小回りがきき、細い道にもスイッと入り込めるミゼットが個人商店や零細企業に受けたのは当然でしょう。
ミニ化もまた、時代の「方向」だったわけです。
当時、高視聴率を誇ったテレビ番組「やりくりアパート」のスポンサーがその企業で、本編直前の生CMで大村崑さんと佐々木十郎さんがミゼットをPRしています。
大阪のテレビ局が大阪弁の番組を作り、大阪の企業がスポンサーし、それが全国に受けていた。
そこに颯爽と駆け抜けるミゼット。
大阪が輝いていた時代ですが、これを昔話にしてしまいたくはありませんね。

サンコー物産株式会社
代表取締役 副社長
細川 真一

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